◆壁を越えることができるもの。 – 3時間プランの撮影レポ –
こんにちは。
とっても久しぶりの撮影レポです。
突然ですが、
みなさんにとって家族写真はどんな価値があるものなのでしょうか?
最近、
家族写真にできることってなんだろう。
と、考えれば考えるほど正解がないものだなぁとひしひし感じています。
「思い出を見返せる形にする」
「今の自分を好きになる」
そんな話はよく聞くけど、
正直、写真を撮ることがあまりにも身近なことになった今、
その行為に慣れすぎて、価値が薄れてしまうこともあるのかもしれません。
そもそも自分自身が、
どれだけ写真というものと向き合えているのかとか、
本質的な「良い写真」というは、一体どういうものなのか?
私はどんな価値を提供したいのか?
疑問や課題は増えるばかり。
けど、壁にぶちあたることは成長の良き兆しとして捉えていいですよね。
超えた先に何かあると信じて、じっくり考え続けようと思います。
さて、
そんな熱いことを冒頭で語りたくなったのは、
今回ご紹介する撮影を思い出してのこと。
後半にもう少し感じたこと、書かせてもらいたいのですが、まずは写真のご紹介をさせてください。
まずは美容院でお支度シーン
今回のご依頼は、7歳さんの七五三撮影。
遠方からいらっしゃり、ご実家近くの神社さんにて参拝。
また、普段なかなか会えないご家族に、晴れ姿を見せたい!というご希望で、3時間ご一緒させていただきました。
朝も早いし、今日はなんだか特別な日。ちょっと緊張気味な仕草も。
だんだん仕上がってきた姿を鏡で見て、表情が少しづつ和らいでいきます。
うんうん、とってもきれい!
ヘアメイクのあとは着付け。いつもとちょっと違う靴下、上手に履きます。
お着物はお腹が苦しいけど、なんとか頑張ります!
仕上げに扇子を差し込んで、
草履もよいしょっと履いて、
完成ー!美容院前でぱしゃり。すでに立派なモデルさん。
車に乗って、お次に向かう先は、、
ホームにいる ひいおじいちゃんに会いに。
今回、ご依頼の経緯を伺ったところ、ひいおじいちゃんにひ孫の晴れ姿を見せたい。七五三という晴れの日を一緒に過ごしたい。という思いをお聞きしました。
柱の裏に隠れて、どきどきな待ち時間。
遠方でなかなか会えず、さらにコロナになってしまい、面会もガラス越しに10分。という状況が続いていたそうです。
今回もどうかなぁ?と少し心配していましたが、
職員さんが、今日は特別にと、少しだけ玄関先で対面していいとお許しをいただきました。
すごく、すごく良い目をされていたのが印象的でした。
ひ孫ちゃんに会えることを本当に楽しみにしていたそうです。
二人でも撮りましょう!と声をかけると、ダブルピース!
家族っていいなぁ。最後はがっちり握手を交わします。
ほんの数分の出来事だったかもしれないけど、
ご家族にとっても、私にとっても、心温まる瞬間でした。
このブログのタイトルを考えるとき、
この窓ガラスとか、距離とか、コロナとか、
隔てるものはたくさんあるけれど、
そんなものを一瞬でとっぱらってしまう熱いものがきっとある
と感じて壁をタイトルにしてみました。
会いたい人には会いに行く、きっと会える。
そしてやっぱり、会ってよかったと思う。
そんなシンプルなことが、我々人間の生きる活力になっているのだと、家族写真を通して改めて気付かされます。
潜在的なニーズに応えるには。
最後に、冒頭の続きとして、今回の撮影で感じたことを。
実は少なくないのですが、
撮影を依頼される際に、
撮影に対する想いを語ってくださる方がいらっしゃいます。
私の過去ブログの何気ないつぶやきなんかを読んでくれて、共感してくれる方もいて、このブログにはやっぱり本音を綴っていきたいと改めて感じたりしています。
こんなふうに手を繋いだ写真がほしい!
というような具体的なシーンの要望ではなく、
なぜこのタイミングで、家族写真をお願いしたいと思ったのか。
どんな価値を期待して、依頼をしてきてくれているのか。
色々な心境の中で、
写真を残そうと思って依頼をしてきてくださったと思うと、
非常に身の引き締まる思いです。
私が与えられる表面的な価値は、
写真を撮ってデータを送ることかもしれませんが、
潜在的なお客様のニーズというのは他にもあるはずです。
お客様自身でも、
本当はどうしたいのか?わからないことだってあります。
それは人間だれしも、自分自身の本音を正確に把握できているわけじゃないし、それが正しいわけでもない。
だから、
思っていることを特に口にしない人もきっと何かしらの願いを秘めていて、
その願いの部分をできるだけ想像に努める必要があるのでしょう。
それはとっても難しいことだし、
私の器ではまだまだ到底及ばない領域かもしれません。
私の想像と、お客様の願いが、毎回一致するとは限らないのが現実。
だけど難しい課題と向き合うことを諦めてしまっては、やっぱり人生つまらないものです。
人と真剣に向き合う機会に溢れているのが、この仕事のやりがいでもあります。
奇跡的に、潜在意識の壁を超えることができ、
ありがたいことに感謝のことばをいただけた際には、
喜んでもらえてよかった!と素直に嬉しい気持ちになります。
今回のご依頼をきっかけに、
改めて1回1回の撮影を大事にしたいなと思えたので、
撮影に対する想いを丁寧に伝えてくださったお客様には本当に感謝しています。
最後まで読んでくれた方、ありがとうございました!
またかけるときにブログ書いていきたいです^^