11月末から6日間、
隠岐の島町の“布施”という地域に滞在し、
撮影を通してかけがえのない経験をしました。
(布施に滞在することになった経緯についてはこちらの記事参照)
神の島、隠岐の島へ渡る道のり。
静岡から車で約10時間の長旅。
島根県松江市に位置する離島航路の出発点、七類港へ。
フェリー出航時に流れる隠岐民謡がなんとも味がある。
乗船後間もなく、根っこがる雑魚寝族たち。
船酔いしないようになるべく甲板で風に当たっていた。
私は一体どこへいっちゃうんだろ…
海外へ旅する時のあの感覚、。
少し不安で、
抑えきれない心躍る感覚、。
この感じが久しぶりだった。
そんなこんなから始まった隠岐への旅路、
滞在中感じたことをここに記したいと思います。
布施で見たもの、感じたもの
私が滞在したのは、
隠岐の島町の“布施”という地域。
そもそも隠岐ってここです。 ↓
ほんで
隠岐諸島の島後という地域に位置する布施はこのあたり。
滞在中は、
布施の地域おこし協力隊を務める
五十嵐杏美ちゃんにアテンドしていただき、
地域の人と接したり、
布施を中心とした自然風景などを撮影させて頂きました。
今回の撮影依頼は
杏美ちゃんの協力隊活動の一環の企画でもあり、
この土地で杏美ちゃんが感じてきたものや、
大切にしている暮らしなどを表現するために、
杏美ちゃんの世界観にもじっくり耳を傾けながら、
色んなことを話せたのもめちゃ嬉しかった。
地方移住する身にとって
やっぱりこういう同じような境遇に立つ人と
意見を交わす機会ってとてもありがたいのです~
布施を中心に、
隠岐で過ごした一日、一日、
素晴らしい景色を目にしました。
耳で感じる布施の日常もよかった。
朝夕に流れる町内放送。
少し不気味な夜の防災の鈴の音。
柔らかで儚げな波の音。
布施の食にもたくさん恵まれた。
杏美ちゃんは布施ではなんと
お野菜も魚もほとんど買うことがないそうです。
そのわけは↓
釣りたてのイカ、
採りたての野菜、
地元で愛される地酒、
短い滞在の中で2回もみんなで鍋を囲みました。
(布施の洗礼とも云われる強烈地酒にやられましたが)
隠岐の島を成り立たせる大地、山、海、風、人、、、
すべてが互いに助け合い、生きている。
この土地には不自然さのかけらもない。
みなが自然の成り行きにまかせて、持たれ持ちつつ、共存する。
“馴染む”
そんな言葉がこの島にはピッタリで。
布施のシンボル的存在でもある、
岩倉の乳房杉の威力。
1つの体の中に、たくさんの命が宿ってた。
そして日々、
地域で暮らす人々や、周りの自然のことを見守っている。
これがあるから布施は守られるんだと、
すとんと腑に落ちた。
布施が“与えて”くれたこと
布施は、
私が目指す姿そのものだなっと感じた。
自然体でいること。
人に優しくあること。
漁師さんが命がけで
荒波に迫る岩場で行う海苔つみ。
危険と隣り合わせだけど、
それが楽しくてやっていて、
自己責任で安全に楽しむためにも
きちんと準備をする漁師さん。
自然を愛し、
同じ場所からでも
一つたりとも同じ景色を見たことがないと、
目を輝かせて話してくれるおじちゃん。
なんとかなる、それが大事。と
にこにこ笑顔から勇気をくれたおばちゃん。
海が“なぐ”時と“しける”時。
人間の心も同じような波がある。
風、波、いろいろな流れがある中で、
私達はどこか地に根っこを貼ることで、
安心して自然に身を任せられる気がする。
旧村の地名である“布施”という名前は、
仏教の世界では”与えること”を意味するそうです。
私はたった6日間だけど、
普通に観光しただけでは決して得られなかったであろう
沢山の恵みを与えてもらいました。
あたしも何か与えたい。ギブしたい。
そんな気持ちがこみ上げては
滞在中は夢中でシャッターを押しました。
本当に文字通り“夢の中”で幸せでした。
こんな感情を感じながら撮影をしたのは初めて。
杏美ちゃんの言葉をお借りするのであれば、
布施には与え合い支え合いによる
優しさの循環が確かにありました。
布施のこと、
もっと沢山の人に好きになってもらいたいなぁ
亜美ちゃんは布施の暮らし体験とヨガ体験ができる
Danaの家という空間をプレオープン中なので
ぜひそちらも。
”ここに来ればきっと、
心癒されて、
日常への活力も得られるはず。”
参照:Danaの家HP
カメラマンとして思うこと
地元の若い女の子に、
「カメラマンとして一番大切にしていることはなんですか?」
と質問されてちょっとドキッとしちゃった。
改めて考えてみた。
私の写真をスライドショーしたときの、
みんなの笑顔。
これは忘れられないなぁ
私が見た景色、人の表情、
それらを普段から知っている人達が、
改めてその景色に思いを馳せてくれた気がした。
私って、ほんと不思議な程
いろんなことをあっさり忘れてしまうから、
感じたことを何か形に残せる表現を身に付けたい。
たぶんずっとそんなようなことを考えてた。
今回もらった機会は本当にかけがえのない経験だった。
感じたことをもっともっと表現したいんだって、
心の叫びに気づけた気がする。
“写真が人に伝わる感覚”
これは本当に大事にしたい。
渡して終わりではなく、
渡した先にどんな光がさすのか見ていきたい。
今回の撮影は、
カメラマンとしても1ステップ上がれそうな経験をした。
人と接しながら、表情を撮る。
その土地の良いところを肌身に直接触れて感じる。
見るべきスポットにピントを合わせる。
感情のままに色を表現する。
表現するときには、
相手のことを想像する。
どんな話をしたっけな。
どんな雰囲気の木々だっけな。
そんなことに思いをはせて、多少の右脳も働かせながら表現する。
なかなか初めての経験でうまくいかないこともあるけど、
この経験は絶対に忘れてはいけない。
写真を通して伝えたいことってなんだろうって、
やっぱり常に自分に問いかけながら撮影したいな。
もっともっと想いのままに表現できるように、
満足のいく写真が撮れるようになりたい。
あ、最後の最後ですが、
今回は秋という季節を題材に撮影したのですが、
とっても嬉しいことに、
冬もお呼び頂けることになりました・・・!!
1月末から6日間滞在させていただきます!
布施のみなさん、
またお世話になります!
とっても楽しみだ。
Ps.挙げたい写真がたくさんありすぎて
写真多め文章も多めの投稿になってしまいましたが…
またFacebookにアルバム載せたのでよかったら!
⇒https://www.facebook.com/media/set/?set=a.1355872077886044&type=1&l=f94978fd46