◆中学2年生約100名の前でお話をさせてもらいました!
先日、都内の中学2年生約100名へ、フォトグラファーのお仕事についてお話をする機会を頂きました。
コロナで職場体験が難しいということで、逆にいろんな職業の方を呼ぼうという試みとのこと。
自分の職場体験の時の思い出というと、
福祉施設でお手伝いをさせてもらったとき、利用者さんのおやつに出されたドーナツを、「え!ありがとうございますっ!!(興奮)」と、自分達用だと勘違いして椅子から勢いよく立ち上がった思い出。(のちに友達と「ドーナツ事件」と題して、今でも久々に会うとその話で盛り上がります笑)
今回は実兄の縁あって登壇することになったのですが、
このような大勢の人前に出て喋るという機会はなかなか無いので、当日まで鬼キンチョーの日々。(夢でなぜか楽譜を忘れてコンサート会場に立つシーンを見たり)
ここ最近、お客さまや他の方から「フォトグラファーの仕事に興味がある」というお話を聞いたり、「撮影同行したい!」と言ってくださる方がいたりと、どんな仕事をしているのか質問を受ける機会も増えてきたので、
せっかくなので今回の講演内容をシェアすることで、自分の仕事について伝える場にできればと思っています。
また、今回の経験を文字起こししたいと思ったもう一つの理由は、
”自己成長の過程”として、記憶に刻んでおきたかったためでもあります。
というのも、
自分の成長を把握するための1つの指標として、「インタビューを受けること」や「人前でスピーチする」という目標を密かに持ってたのですが、、
今年はなんとその両方とも叶い(・・・!泣)、
今回の講演会は、一皮向けたような、自分を成長させてくれた機会となりました。
長ーい坂道をひたすら地道に進むよりも、
階段のようにたまに段を区切ったり、階数をつけた方が、今自分がどこの位置にいて、あとどれくらい頑張ればゴールに辿り着ければわかるように、
だらだらと流れてしまいがちな過程にこそ、自分で意味を持たせることで、次へのやる気に繋がると思ってます。
前置きが長くなりすぎちゃう語りすぎちゃうくせはなかなか治りませんが・・・講演内容について書いていこうと思います!
(学校の先生が撮ってくださったお写真を拝借いたしました)
1.仕事紹介
当日実際に使ったスライドを少し引用させてもらいます。
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まず、業務内容を分解してみるとこんな色々なことやってるんじゃないかなと思ってます。
「接客」は、お客様の希望をしっかり聞いて、形にしていくこと。
やっぱり私はお客さんに笑ってほしいんです。
楽しんでもらえるよう、喜んでもらえるような、コミュニケーションをとることを心がけてます。
私は学生時代のバイト経験を含めて、一番慣れ親しんできた分野(むしろそれ以外のスキルが全然見当たらなくて困ってた)であり、
今の仕事でもやっぱり一番大事にしている、そして自分らしさを見出したい分野でもあります。
心理学を勉強してみたり、自他共に感情分析したり人間観察が好きなので、人の細かい心情・表情の変化に気づける人間になりたいと思って、日々勉強中ですっ
「技術職」については、一番わかりやすいかもしれませんが、カメラを使って撮影すること。
特にこどもの撮影をしていると、
足腰は動き回りながら、口はしゃべりながら、手先は細かい機械操作をする、
という割と高度なことをやっているんじゃないかと!(最初はしゃべりに集中すると、操作が怠って白飛びばっかやー!なんてことも。マニュアル操作に慣れてない時期のあるあるかもしれませんね)
でもですね、
長年テニスで鍛えたフットワークや足腰がここで活きてきていることに気づきまして(・・・!!)。
例えば、こちらに飛びついてくる子供さんを撮るには、レンズにあまりにも近すぎると撮れないので、ある程度の”間合い”をとる必要があります。(レンズを触りたがる子は沢山います笑)
そのときに、瞬時にその”間合い”を計算して、後ろの障害物がないかどうかを確認しつつ回り込み(それでコケたこと数多あり泣)、こどもの身長に合わせて膝を曲げ、スタートポジションにカメラを構え、あとはインパクトポイントを狙ってシャッターを切る!!!
・・・どうでしょう。なかなか熱いラリーなんです。
そういう運動神経に頼ってカメラ操作を身につけたところがあるので、まだまだ学ぶべき点は沢山。まぁ伸び代だらけということかしら!
私はもともと機械にはめっぽう弱い方で、基本のキ!だけ学んだら、あとはほぼ現場で学ぶスタイルだったので、私の機械操作方法はほぼ家族写真向けに我流カスタマイズされているかもしれません。(なので私に機材系の質問はあまりしないほうがいいかもです笑)
「アート」は、美しい作品に仕上げるというところ。
ただカメラを使って写真を撮るだけなら、誰でもできるかもしれません。
背景の色や光の演出を考えたり、編集作業で細かい調整をしたりして、いかに感動してもらえる写真に仕上げるか。
ここが他のフォトグラファーさんとの差別化にもつながってくるポイントかもしれません。
もちろん正解があるものではないし、ゴールが決まっているわけでもないので、日常的にも感性豊かに生きることで、センスが培われていったらいいなぁ〜と思っています。
ここ数年は、写真の”表現力”をもっとアップしたいと思い、フィルムカメラを始めたこともすごく良い刺激になっていて、
今は写真を撮ることが前よりもどんどん好きになっていく感覚があります。
やっぱり好きな気持ちが何よりの原動力であり、良い作品を作り上げていくためのパワーになる!と、私は信じてます。
「保育」については、保育といっていいのかわかりませんが、
やっぱりこどもさんにも撮影時間そのものを楽しんでもらいたいです。
初対面のお子さんももちろん沢山接するのですが、いかに短い時間の中で慣れてもらえるかが、腕の見せ所。
楽しんでもらいながらも、良い写真が残せるように軌道修正していくこと。
こどものペースに合わせつつ、合わせすぎても撮影が困難になりかねないので、その塩梅が非常に難しい点でもあり、やりがいを感じる点でもあります。
ご家族や、保育士さん、学校の先生方のように長い時間をかけて子供たちの特性を見ていくことはどうしても難しいのですが、
過ごした時間の長さにかかわらず、目の前のこどもと誠実に向き合いたいと思っています。
最後に、経営について。
私はどこかに所属しているわけではなく、個人事業主、フリーランスという働き方をしているので、お金関係のことも自分で管理しなくてはなりません。
正直、我は数字にかなり弱く・・・毎年確定申告の時期が近づく頃には「確定、深刻。」とぼやく始末。
売上目標を掲げたり、具体的なお金に関する部分ももちろんですが、
自分の人生観を交えた、経営戦略を立てることを何より重視したいと思っていて。
どんな人と出会っていきたいか、
どんな生活ペースで働いていきたいか、
そんな軸を逐一確認しながら、SNSやHPでより存在を知ってもらうための努力をしたり。
正解がない世界だし、自分のお店のことを自分だけで考えていると、本当にこれでいいのかな?と自問自答の繰り返しになることもありますが、
ちょっとづつ周りのことを見る余裕も出てきたので、
外からの刺激を受けながら、アップデートしていけたらと思います。
以上の仕事を全部一人でやっていると思うと、結構大変そうに見えますね・・!
ただ、これらのスキルは資格や免許などは必要なく、ある意味すべて独学で学べるものなので、なりたいと思ったら今すぐにでもなれる職業でもあります。(私でもなんとかなってるので!)
中学生のみなさんが大人になる頃には、こうしたフリーランスで働く人ももっと増えてるんじゃないかなぁ〜というお話もさせてもらいました。
そもそも私みたいな働き方をする大人には、まだあまり出会わない年代の方々だと思ったので、どんな仕事内容なのかは、結構具体的にイメージしやすいように多めに語ってしまいました。
2.フォトグラファーを続けている理由・大事にしていること
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フォトグラファーになった理由ではなく、今でも続けているかつ続けたいと思っている理由。
フリーランスの働き方は、自分の性格に合っていました。
大学生4年生、内定をもらったあとでトルコ一人旅に出かけ夢が広がり、そのあとすぐに、幼い頃から毎年家族で通っていたペンションのオーナーさんと再会を果たしたことをきっかけに、私も自然の多いところで自営業をしたい!という目標が明確になり。
ずっとフリーランスを目指して動いてきて、計画性の無かった若かりし頃には多少苦労もしたけど、
今ではこの道を選んで良かったと胸を張って言えます。
私は人の目がかなり気になってしまうし、仲間が多すぎると本領発揮できないタイプなので、人と比べずにマイペースに仕事ができる環境下のほうが向いていました。
休みも自由に決めれるし、仕事とプライベートとのオンオフ切り替えは大変と思われがちですが、私はその自由なスタイルの方が精神にも健康にも良いと感じてます。
「何になりたいか」を決めることも大切だけど、
「どんな働き方がしたいか」という視点で仕事を選ぶことも大切にできれば、
結果的にギャップなく、心身にとって無理のない働きやすさに繋がるんじゃないかなと、思っています。
上に挙げた⑤つの理由を、改めて見返してみたら、全部”働き方”に重きを置いてることに、自分でハッとしました。
今の仕事で出会った人の数を数えたら、多分数え切れなくくらいの人数になるんじゃないかと。
毎回撮影場所をGooglemapにラベル付けしているのですが、蜘蛛の巣上に地図上を這い回っている様子がわかりました。笑
(公開できる撮影スポット一覧は、こちらの記事にてまとめてます)
1つとして同じ撮影はないからこそ、毎回緊張するけど、刺激的で飽きがこないお仕事。
何より、「自分の表現で人を笑顔にしたい」という私の人生における軸からブレていないお仕事だからこそ、やりがいを途切れさせずに続けてこれたんだと思います。
また、こどもの著しい成長期を見ることで、すごく勇気が湧いてきます。
こどもだけでなく、親御さんの成長していく姿も感じられたり、親御さんのこどもに対する接し方から学べる点も沢山あって、
多様な人生観に触れることで、自分の心も豊かになっていく気持ちになります。
特に私はまだ親になったことがないので、本当に沢山の親御さんの姿からいつも学ばせていただいてますっ(大感謝)
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私が普段接しているのは、プロのモデルさんではなく、一般の方々。
「撮られることに慣れていないので・・・」と不安を打ち明けてくださる方も多くいらっしゃいますが、私のお客さまの中では、きっと撮られ慣れている人の方が少ない印象です。
その人の良い表情というのは、
安心したときに、ふわっとこぼれ落ちるようなもの、という感覚を持っているので、
安心できる撮影環境を作ることを何より心がけてます。
例えば、人見知りの子に、ずかずか話しかけたら絶対引いちゃいますし、はしゃぎたくてしょうがない子に「止まれ!」をかけたら、一気にしゅんっとなってしまいます。
こちらから強要することは極力避け、
撮影時間が楽しかった!と思ってもらえるように、
心にも形にも残る写真を残したい。
そう思っています。
3.働くこととは? 私からのメッセージ
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な、ななんと壮大なクエスチョン。
中学生へのメッセージを、ということで、あえてここはネガティブな話を冒頭に。
中学生のみなさんは、まだどんな仕事に就きたいか、明確に決まってない人も多いと思いますが、
実はこれ、大人になっても見つからない人は沢山います。という現実を。
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とても辛そうに見える大人を、電車の中や、街中でも、誰しも見かけたことがあるかと思います。働くのって、楽しくないのかな?と未来が少し不安になってしまう子もいると思います。
根本的な原因になっているのは、
自分で自分がよくわからなくなってしまうことにあるんじゃないかと、私は1つの考えを持っていて。
じゃぁ、中学生のみなさんが今からでもできる対策って何かあるかな?と私なりに考え、攻略法を3つお伝えすることにしました。
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自分の好きなもの、嫌いなものくらいわかってるよ!
と思われるかもですが・・
世界三大言い訳、と言われるものをご存知でしょうか?
三つの”ない”。
「お金がない。時間がない。自信がない。」
大人になっていくうちに、世間体を気にするようになったり、言い訳を息を吐くように並べるようになったり、本当に心から好きなものが、なぜかわからなくなってしまうことが残念ながらあると思うんです。
自分が子供の頃好きだったことだって、どんどん忘れていってしまったり。
中学生どころか小学生や幼稚園くらいでも、気の合わない友達に無理に話を合わせたり、自分の好き嫌いをだんだん胸の引き出しにしまうようになってしまう人も少なくないでしょう。
もちろん、嫌いなことを頑張って乗り越える強さも必要。
だけど嫌いなことがあることは、悪いことではないです。
嫌いなコト・モノ・ヒトに合わせる時間よりも、もっともっと”好き”を大切にする時間を作ってもいいと思うんです。
少なくとも、好きなことを仕事にしたい人は、得意分野を伸ばしていくことで、可能性はうんと広がると、私は思います。
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いきなり生々しい言葉かもしれませんが・・・
学校の先生の口からは出なそうな言葉だとおもったのでこの機にと。
働くとは=お金を稼ぐこと、でもあります。
こどもから見た大人のイメージって、「生きるためにお金を稼がなくちゃいけない」というところがどっかにあるかなと思ったのでう、そんな当たり前な意見より、「楽しいヨ!」っていう前向きな感覚をお伝えしたく。
お金というのは、汚いモノと捉えられがちですが、
私は「感謝の対価」だと考えています。
自分が何か人に与えられることができたとき、感謝してもらえたとき、いただくもの。
そんな感覚は、フォトグラファーの仕事をしていて強く感じるようになりました。
自分も感謝の気持ちがあれば、気持ちよくお金を払いたくなるし、そうやってお金は人と人との間で循環していくものなんじゃないかと。
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最後に。
少し挑戦をしたりすると、周りにちょっと白い目で見られたり、「そんなの無理だよ」と否定されることも、もしかしたらあるかと思います。
人から否定されたことは気にしないで!というのは簡単かもしれないけど、
自分で自分の可能性を信じてあげることが、実はもっと難しいことなんじゃないかと思います。
直接誰かに言われずとも、多方面から情報をキャッチできちゃう時代だからこそ、「私は〇〇になれないものなのかなぁ」と知らないうちに可能性を自分自身で潰しちゃってるかもしれません。
最後に行動できるのは自分自身しかいない。
だからクサくても、ダサくても、ちょっとくらい夢見ても全然良いと思うし、
自分の可能性を自分が信じてあげてほしいと、思います。
私もすぐ自信を無くしがちなので、、そういう時は、まず助走として身近な人に褒めてもらってちょっぴりご機嫌にしてから笑、自分で自分を褒めてあげられるようにしています。
もし今、叶えたい目標があったら、
できるかできないかの可能性を判断する前に、まずやってましょう!
やってみることで、きっと叶う可能性は広がると、私は信じています。
最後に。
中学生という多感な時期に、自分だったら何を大人に教えてもらいたかっただろう?
と考えてたときに、植松努さんのスピーチを思い出しました。
「思うは招く」という言葉には、かなり支えられてきました。
尊敬できる大人や考え方に出会えたとき、無理そうでもがんばってみよう、と思えた経験がたくさんありました。
私は今回、自分よりもほんの少し年下のみなさんにも、ぜひ自分が今まで吸収してきたことの中から、1個でも勇気付けられることが伝えられたらと思って講演にのぞみました。
まともにパワポを作ったことも無い私ですが、
今の仕事に対する想いは、
わりとスラスラ言葉に落とせていることにびっくり。
当日緊張で頭が真っ白にならないように、事前にかなりみっちりした原稿を用意してたのですが、
みんなの真剣な表情を見ていたら、用意していたスクリプトにほとんど目を落とさずに話せて自分でもびっくり。
昼休みから生徒さんと少し交流させてもらえたのですが、みんな気さくに話してくれたり、
撮影体験と題してみんなで写真を撮りあってもらったら、想像以上に盛り上がってくれて(エモい写真ありまくりでさすがは感性豊か!!)、
シンプルにめちゃ楽しかったです。
どうかみんなの未来に幸あれ!!!
読んでくれた方も、拙い文章力なのに本当にありがとうございます。
何か聞いてみたいことがあれば、いつでも気軽にインスタのDMなりHPなりLINEへお声かけください^^
それでは!