◆家族写真、前から見るか?後ろから見るか?
撮影する”目的”を履き違えてはいけない
結論から言いますと、
「正面」から撮るべきか、
「横」から撮るべきか、
どっちでも良いと私は思ってます。
でも、
良い写真を撮りたい!と思うと、「真正面の笑顔」を収めたくなるのは誰しも経験あること。
「カメラの方を見て!」
「良いお顔して!」
せっかく写真撮影をプロに頼んで
ちゃんと撮れなかったら・・と心配される方の気持ちもとてもわかるのですが・・
そもそも写真を残す目的はどこにあるのでしょうか?
もちろん人によって、目的が異なります。
だけどきっと、
多くの人が(時に潜在的に)求めている写真の価値、写真を撮る”目的”は、
「正面笑顔」を撮ることでなく、
「見返したときに、撮ってよかったと思えるシーン」を撮ることではないでしょうか。
(ご機嫌ななめ?と思いきやダンゴムシを見つけて喜ぶ様子)
ちょっとわかりづらい表現かもしれませんが、
この”目的”の違いをしっかり認識しない、と私はフォトグラファーとして失格くらいに思ってます。(自分自身に対して)
後者を追い求めた結果、前者の写真になることももちろんあります。
大事なのは、
良い写真とはこういうものだ!という”正解例”を決めつけずに、
写真を残す”目的”をブレずに持つこと。
私は写真学校を出たわけでもなく、
学術的に専門知識を学ぶ以前に、
「家族に関わる仕事がしたい」「家族に喜んでもらいたい」という目的で家族写真のフォトグラファーになったので、
良い意味で写真撮影とはこういうものだ!
という固定概念は少ない方かもしれません。
写真コンテストで良い写真を評価してもらうこと等にもあまり興味がなく、
写真を残したその先に、
笑顔になる人がいてくれることが、
何よりのやりがいになってます。
毎回お客様には希望する写真イメージをヒアリングして、
撮影にのぞむのですが、
「お任せで自由に撮ってください!」
「カメラ目線じゃなくても良いです」
と行って自然体を希望される方がとても多くなってきました。
撮影は、お客様とフォトグラファーとで作り上げるある種の共同作業なので、
私が撮りたいイメージと、
お客様が潜在的に求めてるイメージとが、
重なって相乗効果が生まれたときには本当に感動します。
そのためにも、 私の考えをこういった場できちんと発信していくことは イメージのすれ違いを起こさないためにも必要なことだと思って書いています。
笑顔はパパママに敵わない
あと、率直に言ってしまえば
正面笑顔はもうママパパには私は敵わないんです。
競うわけではありません。
ただ、
突然会った知らない人に対する笑顔と
大好きなママパパに向ける笑顔と
どっちが本物かって言ったら言うまでもなく。
だからこそ私にできることは、
ママパパに向けるその格別な笑顔や、信頼の目を、
横からそっと写すこと。
もちろん、
こどもは本当に優しくて暖かい心の持ち主で、
全力で可愛らしい笑顔をカメラに向けてくれますし、
笑顔がでるよう私も最善を尽くします。
全力で一緒に走り回ります。
(遅くなれ〜と魔法をかけられました。)
それはそれで、
逆にママパパには見せないような表情が見れたりします。
つい見逃してしまいがち、だけど愛おしく大切にしたい瞬間。
生まれた時はママパパの取り巻く世界にしかいなかった子が、
幼稚園に通ったり、ママパパの知らないところで社会性を育んでいっているうちに、新しい側面が日々増えていっているはずです。
そんな側面を、
新鮮な視点を持って写真に残すことができるのも、
家族写真を撮るフォトグラファーとしてできることの一つなんじゃないかなぁと思ってます。